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リクシル台所壁付水栓クロマーレS SFWM433SYについて

今回はリクシルの壁付水栓のクロマーレSについてレビューさせて頂きます。

取り付けてお客様に喜んでもらうのは作業を行った方からすると何より嬉しい瞬間です。蛇口を取り付ける際に蛇口を品番まで指定されるケースは実はあまりありません。大抵はお任せになる場合が多いです。予算はこのぐらいと言った希望は出るのですが細かく指定される事がまずありません。それだけにどういった蛇口を取り付ければ喜ばれるかを常に考えています。

壁付の台所蛇口を取り付ける際にまずお勧めするのがこの蛇口です。このモデルは従来のモデルからするとかなり変わりました。そしてそれは良い方向に改善されています。

オール金属メッキはクロマーレシリーズの特徴ですがこの蛇口はその伝統を受け継ぎ全身シルバーなので高級感があります。リクシルは取り付けててデザインがいいなと思う商品が多々あります。ブランド力はTOTOの方があるとは思いますがやはりトップシェアを誇るだけあってどうしても丸みを帯びた万人向けデザインが多く感じられます。スクエアを上手く使うのがリクシルの特徴の一つでこの蛇口もそれが随所に見られます。ぱっと見た瞬間にカッコいいなと素直に思えるデザインです。

先ず大きさがコンパクトになりました。これは重要です。壁付の蛇口は周りに吸盤フック付のケースがついていたりする場合が多いので小型の方がいいと思います。蛇口の材料は真鍮といった高価な錆びにくい金属を使うケースが多いので小型化はコストの面でも抑えることが出来、その分消費者に還元するといった事も可能かと思います。もちろんあまり小さすぎても駄目ですがこの蛇口は程よくコンパクトに綺麗にまとまってると思います。またシャワーが標準装備されています。シャワーに切り替えなくとも泡沫キャップが付いていますので水の飛び散りが少なくこちらでも洗い物をするには十分なのですが、洗うものが大きいものなどはシャワー付きの方が便利です。後付けでシャワー付けるのもありですが標準で付いていた方が吐水口の高さが変わらずに使用できるのでシャワーの使用を希望する際は標準でついている方が良いと思います。

気を付けなければいけない点としては外部の浄水器等が付けにくい事です。基本的に吐水口への外部浄水器の取り付けは不可と思った方がいいかもしれません。ネジ山さえ合えば取り付ける事も出来ますがその際は特徴である標準装備のシャワーが使えなくなります。

操作は最近の蛇口の定番になっているエコハンドル仕様となっております。これはハンドルレバーの真ん中の位置が湯水が混合される場所ではなく、湯水を切り替える場所になっている為、真ん中の位置から上にレバーをあげると水が出ます。これにより給湯器のスイッチが入らず給湯器の負担を減らすことが出来ます。給湯器が長持ちして無駄なお湯を使わない仕様の為エコハンドルと名前が付いています。何気なくハンドルは真ん中にしますし、水で十分な時でもついお湯を使ってしまうのはよくありますからこれは上手く考えたなと思います。ここで操作にひと癖特徴が出るのがリクシルの蛇口です。リクシルのエコハンドルは水側がほとんど曲がりません。水側は温度調整には関係がない部分ですので本来はレバーを極端に水側に曲げる必要はありません。恐らくリクシルはレバーはバルブに繋がっているので動かせば動かすほど負担が増えるので長持ちさせる為にこういった仕様にしてると思います。これは実に理にかなってます合理的で素晴らしい考えです。ただこれはあくまで水道修理に関わるものだから理解出来ることなのかもしれません。今までの蛇口に慣れていると無駄だと頭で理解しても水側に必要以上に曲げてしまうものです。恐らく各メーカーもここは悩んだと思います。無駄でも余計なクレーム等が来ないと思われる消費者が慣れた仕様にするのか、それとも合理的だけど一歩間違えばクレームが来てもおかしくない仕様にするのか・・・。現在ここまで極端に水側が曲がらないのは私が取り付けた蛇口ではリクシルだけです。もしかしたら次のモデルでは無くなる仕様なのかもしれませんが、私個人としてはこのチャレンジを評価したいと思います。蛇口は長く持つに越したことはないですから。

以上がレビューとなります。全般的に良くできた蛇口だと思います。お客様にも取り付けた後に喜ばれる事が非常に多い蛇口です。問題はやはり操作面でしょうか、ただその後にやっぱり変えて欲しいと言われた等の話も聞かないので慣れると気にならないのかなとも思います。それでも最初は戸惑う事はあると思いますので、この辺は取り付け後しっかりご説明していきたいと思います。